本屋さんの書いた本。小説ではなくて実用書。
北海道の本屋さんが本が売れなくて困っているという話を同窓会で先輩にしたら、一万円を渡されて、俺が面白いと思う本を選んでくれ、と。先輩の性格や現在の状況を考えながら、心を込めて選書し送ってみたところ、先輩はいたく感激してくれた。
本は読みたいけど、本屋にたくさんあって、どれが自分にとって面白い本なのか分からない、と。
先輩から、こんな客が100人いたら、経営安定するんじゃないの?とアドバイスされてやり続け、7年目にバズったそうです。
私もたまにオススメの本聞かれたり、そういう需要はあるんだろうなあ、と漠然と思っていたけど、実際にこの書店が受けたお客様からの依頼時の(許可を得て掲載された)カルテの内容(今までの読書歴、年齢、家族構成、気になったニュースなど)とかを見ると、本当に、一人一人読みたい本、刺さる本は異なるだろうなぁという当たり前の事実に気づく。
この方はカルテを読んで、一人一人におすすめしたい本を時間をかけて12、3冊選書しているそうなので、現在は抽選とのこと。
書店さんは新刊を4ヶ月書架に置いて売れなければ返品するから、それはもう必死に見つけてあげるのだとか。誰かの元に届けたら喜ばれる本を。
『一万円選書』でつながる架け橋 岩田徹著 竹書房 2022年2月