幼い頃に母を亡くし、叔母さんと生きてきた高校生のすずめ。
ある日、地面から噴火しているような奇妙な現象を目にするが、
友人たちには見えていない。その奇妙な現象が起きてすぐ、携帯電話の地震警報が鳴り響いた。
家の近くまで自転車で戻り、奇妙な現象が発生している場所へ行ってみると、
地面から噴火しているように見えた赤い物体を扉を閉めて封じ込めようとしている男性と出会う。
男性はすずめを助けた際に腕に傷を負う。すずめは家で応急処置をすると申し出る。すずめの部屋には看護師の教本などがあった。
この二人のもとに、やせ細った猫が現れる。やせ細った猫にミルクをあげるすずめ。
この猫、見た目は可愛いのだけれど、実は曲者。でも、声が、『スパイファミリー』のアーニャと同じ声優さんと思える。アーニャだ。可愛い、ってなっちゃう。
すずめが、閉じ師の男性から何度か「君は死ぬのが怖くないのか」と尋ねられ、「怖くない」と答えるのを何度も聞くのが辛かった。小さい頃に親を失くしたら、そんな風に思ってしまうのだろうな。
私も先日父を亡くした。親しかった人を亡くすと死ぬのが怖くない、と周囲の大人たちから聞かされていたことを、初めて実感として理解した。
怖くはない。まだ死ねないが。責任を果たさないと。
この繰り返される問いが、あとで活きてくる。
『すずめの戸締り』新海 誠/監督 2022年11月11日公開