アマデウス


モーツァルトの生涯をサリエリの視点から描いた映画。

サリエリだってもちろんすごい人物なのだけど、

モーツァルトの計算しない純粋さ、作品に対するストイックさ、

童心あふれる無邪気なふるまい、オペラ作品を生み出すために自由を優先するところ、、、すべてがやはり凡人から見たら突拍子もないし、とてもじゃないが真似できない。

生活のために音楽の生徒を取ろうとか、世俗的な計算をしないから、

いつもお金に困っている。昔の芸術家って確かにこんなイメージ。

でも、モーツァルトの音楽は確かに200年以上経ってもある意味で誰も超えることができないぐらい突き抜けていて、別格で、お金とか生活とかとは無縁なところに位置している。モーツァルトにだって生活やら人間関係やら仕事やらで悩みもあったんだろう。映画を見るとモーツァルトももちろん人間で、人間にふりかかる悩みだったり困難だったりは、もちろんモーツァルトにも降りかかっている。

でも!

女性の金切り声からソプラノのアリアを着想したり、

父の死からレクイエムを作曲したり、

モーツァルトのこの世のものとも思えない気持ちの良い音楽を聴いていると、

やはり神の子としか思えない。

天使としか思えない。雲の上で、霞を食べて、遊びながら作曲しているとしか思えない。

『アマデウス』 ミロス・フォアマン監督 オライオン・ピクチャーズ 1984年、松竹富士 1985年

アマデウス
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