シャネルという女性はイギリスの首相サッチャーとなぜか印象がかぶる。強くて、鉄の意志を持っていて、、、怖い、っていう勝手なイメージだった(あながち間違ってなかった)。この本ではなく、他のシャネルの本の帯に、「あなたはもっと怒っていい」、「あなたはもっと嫌っていい」と書いてあり、魅かれて電子書籍ですぐ読める本を探したらこの本があった。藤本ひとみ著。ただシャネルの言葉が並べてある本よりも、まずはこの人がどういう人なのか、どういう人生を送ったのか知りたかったのでよかった。小説形式の方が、入り込めるから。孤児院で育ち、っていう初めから、どんどん時の人となっていくまで、そして孤独の中でモード界にカムバックするまで、一気に読んでしまった。面白かった。人の人生を面白かったというのもあれだけど。波乱万丈。戦争も挟んでるし。
そして、ファッションの歴史も感じた。コルセット、帽子、ジャージ、セーラーカラー、リトルブラックドレス、パンツスーツ、シャネルルック、香水、イミテーションパールにイミテーションジュエリー、などなど。
あれー、なんでこの人の本、今まで読んでなかったんだろう、っていうぐらい好きになってしまった。カッコいい、シャネル女史。
こんな風に時代を切り開いていく先駆者がいたからこその今の時代なのだろうな、と思いを馳せる。思いがけずラディゲとかコクトーとかピカソとかも登場し、華やか。
「流行を作るのではなく、スタイルを作っている。」
「女性が本当に女になって、服というものがわかってくるのは、四十代からなの。私は、そういう女たちのために服を作っているのよ」
かっけー!(笑)
『シャネル』 藤本ひとみ著 講談社文庫 2008年 (電子書籍化2015年)