ハンニバル


映画が有名なので、映画の方。

この映画が、一つの奇跡のように思われてならない。

オペラを含めた音楽、香水店のハンドクリームの香り、トリュフやモンラッシェの香り、DEAN&DELUCAのランチボックスやキャビアやらの美食、カトラリーや食器、鍋を大人買いするところ、イタリアの宮殿や邸宅、美術館のような図書館。ハンニバルがクラリス捜査官に纏わせたGUCCIのドレスやハイヒールなどなど。五感を刺激する文化の香りに満ちている。

それ以上に、ストーリーは緊迫していて知的でプロフェッショナル。

内容の是非はともかく、このような映画が存在する奇跡に感謝したい。

ローラー鳩の逸話はなるほどと思える。番になるのもバランスなのかも。

3秒で身支度しなければならないクラリスが迷わず銃を手に取るのが、、、。

映画の方が、まっとうなラスト。

原作のレビューには、クラリスにがっかりなどの声が多数あった。

これはこれで、ロマンスで良かったけどなぁ。

原作の方の結末を見て思ったのは、ロマンスというのは、立場とか

現世のしがらみを超越した次元にあるのかも、ということ。

原作のクラリスは洗脳されてるわけだけど、恋愛自体がそもそも

自分から洗脳されにいくようなものなのかもだし、理屈では割り切れない二人の間の絆のようなものを感じた。

リドリー・スコット 監督 アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア出演 ユニバーサルスタジオ

『ハンニバル(上)(下)』トマス・ハリス著 高見 浩訳 新潮社文庫 2000年


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