バウルの歌を探しに


~バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録~

第33回新田次郎文学賞受賞作。紀行。

国連職員やシンクタンク職員というものすごいキャリアを持っているが、文章を読む限り、とっても自由で何物にも縛られないその日暮らしの人、という印象の著者。

旅の道連れを探すところから最終目的地まで行き当たりばったりだが、直感に基づいて我が道を突き進んでいく。

これが旅だな、と思うし、この旅をこの年齢のいい年した大人たちが繰り広げているところもすごいし、こうやってできるのが友達だな、、、と思う。

こんな風に自由に生きることをもうしばらくしていない気がする。

予定調和でない旅、予定調和でない人生、そんなところに冒険があるのかもしれないけど、冒険の台風の目の中を彷徨っている人は、大した意気込みもなく、飄々とその日その日を楽しんでいるのかもしれない。

インドに2週間行ったはるか昔のことを思い返す。こんな風に、人に委ねて物事が進んでいったなあ、そういえば、と。あの、人懐こい感じは、アジア独特の文化なのかも。ヨーロッパやアメリカではもっと洗練されていて、会話を楽しむ感じだけど、インドではなぜか生活全体が巻き込まれていく気がする。(単に暇だったからかも。暇な人がインドに行くのかも。偏見だ)あ、これはバングラデシュのお話ですが。

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