映画と小説があるけど、この作品は、断然映画のほうが推し。
よく、Amazonのレビューで「見てください」の一言があって、いやいや、見てください、だけじゃ分からんよーー、と思うわけだけど、今回はその気持ちが分かる笑。
作品へのリスペクトが大きすぎて、迂闊にモノ申せないというか、感動を言葉に表したところで、やっぱり見て欲しい、という気持ちもあり。
ちょっとストーリー自体は複雑で、私の理解を超えているので置いておいて笑
良い作品を見ているとき、または見た時って、名もないワン・オブ・ゼムであることに誇りが持ててくる、むしろワン・オブ・ゼムでいたい、という不思議な体験をする、気がする。
作品の主人公と同じ、ただの1人の人間であることが誇らしい、というような。打ちのめされるような作品に会うとなぜかいつも、これを感じる。
あと、新海誠さんの作品の真骨頂である、会いたいけど会えない切なさ、やるせなさ、ももちろんあり。ここでは、現実世界では会えないんだけど、夢の中で会うことができ、それぞれの入れ違った世界での体験を相手の携帯メモに残しておくことで、意思疎通だったり、感情のやり取りをする。実際には会えてないのに、心と心でのコミュニケーションは行っているから、お互いにとって、大切な人になっていく。
日常生活では、どちらかというと感情はセーブした方が生活しやすくて、仕事してると他者とそんなには感情のやり取りってしないような気がするのだけど、それではなかなか他者と親しくなるのは難しいと思う。やっぱり、心を開いたコミュニケーションがないと、人と人は親しくなれないのかも、って、この映画を思い出しながら思った。実際に会うことよりも、そっちの方が大切なのかな、って。まあ、普通に考えれば、実際に会った方がコミュニケーションは取りやすいはずなんだけれどね。
『君の名は。』 新海誠監督 2017年