『嫌われる勇気』続編。仕事、交友、愛を人間のタスクと捉えている。仕事は、生きるため。交友は、利害関係のないものと純粋な好意から関係を営むこと。これは相手とお互いに何かしらを与え合えているということらしい。愛は、自分から愛すること。フロムの『愛する技術』とよく似ている。でも『愛する技術』より分かりやすかった。愛は落ちるのを、愛されるのを待つことではなく、自分から愛し、これからも愛すると決めること。約束すること。
愛される技術、というのは巷によくあるけれども、それは赤ちゃんを始め、一人では物理的に生きていけない子どもが学ぶことだそう。自立した大人は、愛する技術を学ばなければならないのだそう。
アドラーの解説書はたくさんあるけれども、この著者のまとめ方がきっと良いのだろう。ソクラテスやプラトンの言説が弟子によって伝わったように、著者が哲人と青年の対話としてまとめているから、誰もが感じる疑問だったりを青年が代弁して聞いてくれて、哲人の言葉を引き出している、という対話形式。
『幸せになる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教えII』 岸見一郎、古賀史健著 ダイヤモンド社 2016年