全然期待してなかったのだけど、舞台がニューヨークの映画を観たくてチョイス。いかにも高級そうなマンションに、いかにも高給取りの雰囲気を醸し出している女性(夫に去られて寂しそう、そしてヒステリックになってる)が泣いているシーンから始まる。
一方、ニューヨークの街を闊歩する笑顔の素敵なもう一人の女性。こちらは、前述の女性の前に夫と暮していた元元妻。この女性もこの高級マンションに押しかけてきて、不動産の半分を要求する。
高給取りの雰囲気の女性の仕事はファッションデザイナー。コレクションのアイデアも行き詰まり、イライラしているところに夫が離婚を要求しているとあり、
イライラマックスに。
そこに元元妻がおしかけてきて、奇妙な共同生活が始まる。
元妻は元モデル。冷蔵庫にはろくな食材がなく、戸棚にはシリアル。
元元妻は戸棚のシリアルなどを捨てまくり、材料を買い込んでこれぞ料理!という料理を始める。気持ち太りだす元妻。
そこへ元元妻が客人を呼び寄せた。誰かと思ったら娘と孫だった。
以外にも、元妻が元々妻の娘と孫に向ける視線は愛おしそう。
アルバイトで香水を調香しているという娘を自身のフレグランスラインの開発チームに迎え入れ、お下がりの洋服などもあげたり、何かと意気投合しているかに見える二人。
話が進むにつれて、それぞれの心のうちや思惑が少しずつ明らかになってくるような、こないような。
何気にミステリー。
マンションを売る売らないでひと悶着あったり、
娘を本格的にビジネスに迎えようとしてひと悶着あったり、
夫が新しい女性と別れたらしくひと悶着あったり、
すったもんだあり、目が離せない。
ラストは冒頭のイライラマックスとは打って変って
素敵な表情の元妻。
夫と元々妻と娘と孫もいる。。。。
元々妻が料理するところ、本屋やセミナーで自分らしさ全開のところ、
娘と元妻のフレグランス開発の部分、元々妻がグリーンで部屋を埋め尽くしていくところなどが興味深かった。
『ニューヨーク最高の訳あり物件』 マルガレーテ・フォン・トロッタ監督 2017年