ボタニカ


『牧野日本植物図鑑』の牧野富太郎の生涯が分かる小説。

学問をする、ってお金がかかる。何かを究めようとしたら、

お金がかかるのだな。きっと世の中の人はそんな計算もしながら

落ち着くところに落ち着くのかもしれない。

この主人公は、お金のことは全く考えていなくて、

純粋に、日本の植物の同定を日本人の手で明らかにするという目標を掲げて邁進する。

凡人の普通の考えでは、普通に学歴を追って、研究職につけばいいのに、、、と考えてしまうが、この人はとにかく野山に出て採集して標本を作りたい、と

借金を増やしていく。

昔の文学者もそうだけど、借金とかを気にしないところが

浮世離れしている。

主人公の理想に共鳴し、スポンサーになってくれた資産家の青年も、

博物館が完成すると思いきや標本の山と借金が増えていくことに

周囲から反対され、主人公と袂を別つ。あー、こうなるような予感がしてた。

学問を究めること、己の仕事を全うすることに関しては

誰にも負けない主人公。金銭教育って、やっぱり必要と感じる。

特に、大きな才能を持っていればなおのこと。

いや、そんな凡人の心配はおいておいて。

このような情熱を持って毎日を過ごし、生涯を過ごした主人公を

やはり尊敬せざるを得ない。

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