『ザ・ファシリテーター』


 読書会を継続して行うに当たって、ファシリテーターの役割を勉強しようと思ってファシリテーションについての本を読み漁っていた時に出会った。
 小説形式でありがたい。箇条書きに無駄なくまとめられた実用書に世間の需要が集まるのはよく存じているが、ストーリー形式で、無駄と思われることも取り混ぜつつでないと、私の頭には吸収されない💦 燃費効率悪い⁉️
放っておいてくだしゃい💖
 
 特に、このファシリテーションという技法に関しては、言葉で説明するよりもコンテクストの中で、ケーススタディで学ぶのが重要と、読書会でご挨拶された著者の方もおっしゃっていた。

 勉強が苦手な人には(笑)この小説から読み始めると、ファシリテーションについて頭にスッと入ってくると思います❤️

 読み始めたのは随分前だったが、出てくるシチュエーションがガチなビジネスなので、私には歯ごたえがありすぎて、しばらく積んでいた💦
(図書館の返却期限が来て返却した)

 読書会の日程が迫っており、また所属している職場でファシリテーションの手法をお借りしたい事柄があったため再び借り、身を入れて読み始めた。

 ビジネス上の難解な設定は若干飛ばしながらも、まずは一読してみた。
 最近、投稿なり読書会なり、何らかのアウトプットが必要なときは、ノートやメモを取るようにしている。今回はノートに起こしてみた。

 まずは目次を書き写しておく。
 次回、またこの手法が必要になった際に、今回引っ掛からなかった部分が引っかかる可能性もあるため、目次だけは必要と思った。
 参考までに、目次を転記しますね。まずは、章立てのみ。この章立てだけ見ても、なんかスゴイことが起こっている予感がしますよね。

第1章 リーダーズ・インテグレーション
第2章 開発センターの改革
第3章 全社改革へ
第4章 SWAT
第5章 エグゼキューション
第6章 何が変わったのか

次は、章立てを含めた目次、全項目です。
私が一読して強く印象に残った箇所を(※A)、
目次を再読して、本文を再読したいと思った箇所を(※B)、
読書会参加後に追記した箇所を(※C)としています。

人によって強く感じるところは異なると思うので、興味を持った方はぜひ
原著をお手に取ってみてください❤️

目次

  1. 第1章 リーダーズ・インテグレーション
  2. 任命
  3. インテグレーション・プラン(※B)
  4. タックマンモデル
  5. ワークアウト
  6. 分析
  7. 一週間
  8. ファシリテーション
  9. コミットメント
  10. ジョハリの窓
インテグレーション・プラン(※B)

 30代女性の開発センター長が着任するにあたっての、自己紹介の手法。
ベテラン男性管理職の不満や懸念を事前にガス抜きさせ、それに応えることで場にスムーズに入れるようにすることを試みるもの。

パーキングエリア(※A)

 議論から逸脱しそうになるテーマが出てきたら、ホワイトボードにPAと書いて、そこにメモしておく。テーマと関係ない議論に陥ることを避けながら、
発案や発言した人にも礼を失しないように、後で再び議論したり、フォローするようにし、議論の場ではメインテーマとせずにPAに留めておくという手法。これは、いろんな所で使えそう。(私が一番ここに入りそう💦)

 ※ファシリテーションの手法は、ガチビジネスの場でない限り、スキルの名称や周知にはこだわらなくても良い気がします。
 今回のメインテーマは〇〇なので、忘れないように一旦ホワイトボードのここにメモしておきますね、ぐらいで十分な気がします。

目隠し道案内(※A)

 ペアを作り、片方が目隠しをして不慣れな道を歩く。もう一人が目隠ししたペアの手を引くというもの。人は一人では何もできないということを体で学ぶ。手を繋ぐ、という日本では嫌がられそうな体験ですが(しかも、本の中では男性管理職同士笑)、だからこそ印象に残るし、ワークアウトしている気分が高まるし、学習効果も高そう。

ワァオ!を創れ(※B)

 開発プランは無難で、ワァオ!がない、とのセンター長の言葉。
感動を作ろうという意欲が感じられないとのこと。
 ※確かに、お客様にワァオ!が提供できると、巡り巡って提供側にも感動と喜びが巡り巡ってくる。提供中も提供後も喜びが続き、良いサイクルに入れる気がする。

ファシリタティブ・リーダー(※B)

p.113
「私はビジネスリーダーです。皆さんをリードし、結果を出すのが私の仕事。私にとってファシリテーションはそのための道具であって、目的ではありません。もちろん皆さんの言うことをフェアに傾聴しようという意味では、偏見のない中立的な立場で聴く努力をしているつもりですが、プロセスだけでなく、議論の中身にも入っていきます。意見も言います。結果に対する責任をとるのは私ですからね。つまりファシリタティブ、ファシリテーター的ではありますが、厳密にはファシリテーターではないのです。だから塩崎さんに入ってもらって、補ってもらっているわけです」

『ザ・ファシリテーター』 森時彦著 ダイヤモンド社 2004年

 私が職務上目指すのは、このファシリタティブ・リーダー。
 とはいえ、仕事以外の日常生活でも、必要に応じて、ファシリテーターを意識した発言・行動をとってみたい。その方が場が円滑に進むのであれば。

早朝幹部会(※A)

 社長の亀井が、早朝幹部会でクロワッサンとコーヒーを用意するところ、いいなーと思った。ほら、あれですよ。茶道部に入るのはお菓子が目的、とか、そういう部分って少なからずあるじゃないですか。これって、本当にあると思う。物を飲み食いしながら話すこと、っていうのが一番頭と心に入ってくる。
 だから、何か伝えたい重要なことがあるときは飲み食いとセットが最強だと思う!

浮力の原理(※A)

 愚痴を出し尽くしたら、あとは浮上するしかない、っていう論理イイ。
 フォーミング(組織編成)したらストーミング(嵐)して、喧々諤々の議論をしてからパフォーミング(機能)しはじめる、って体感でも感じる。
 お互いにこの辺かなっていう辺りまでぶつかり合って、探り合って、臨界点を見極めたらやっと目的に向かってお互いの強みを組み合わせ、弱みを補いながら一緒に走り出せる気がしていた。これを短期間でやってしまおうと言うのがファシリテーションの手法。

エバンジェリスト(※C)

p.196
リョウはその中のキーのプロジェクトに入って、変革のファシリテーターとなるのだ。この過程で、リョウに感化された小西や山本のような新たなリーダーが、何人か生まれるだろう。このエバンジェリストたちが出してくる提案に基づき、大胆な改組、プロセスの一新、そして人事の刷新を断行する。来年一月一日付だ。
 エヴァンジェリストたちは、その新しい組織やプロセスの中核となって、リョウに始まった「行動レベルでの改革」を広げていくのだ。

『ザ・ファシリテーター』 森時彦著 ダイヤモンド社 2004年

自社製品は劣っている?(※A)

 自社製品の苦情は聞き慣れているから、勝手に劣っていると思い込んでいた営業マンたち。ところが、他社と比較して強み、弱みをリストアップしてみたら、逆に自社製品の強みを発見することに。
 灯台もと暗し、で自社製品ほど弱みを知っているから、劣っていると勘違いしてしまうことは、確かにあり得そう。でも冷静に強みと弱みをリストアップすれば、他社より秀でている強みもまた明らかになる。これは、リストアップする、という労を取らないとなかなか視覚化できないかもしれない。
 でも、営業する根拠となることだから、必ず押さえておきたいところだと思う。

不良品出荷(※A)

 意図しなくても、顧客の期待を裏切ってしまうような事態はいつでも、誰にでも起こる可能性はある。その時の素早い対処が、のちの信頼につながる。

ニュースペーパーテスト(※A)

 上記に引き続いて、不祥事が新聞一面に載った時のことを思い浮かべるというテスト。こういう空想は、本当に有益だと思う。

自分が変わった(※C)

 自己主張が強かった人は、聴くことのバランスが取れるように。
 自己主張できなかった人は、発言することのハードルが下がった。

『ザ・ファシリテーター』 森時彦著 ダイヤモンド社 2004年


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